レポート
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「スタジオの秘密」の最後に、少しスピーカーについて触れましたが、ここではより詳しく、aスタジオの音響についてレポートしたいと思います。 立川シネマシティでは、「クイーン ハンガリアン・ラプソディ」以外にも、極上の音で作品を上映する「極上音響上映」を行っています。 シネマシティの音響に感動し、震えたのは「オペラ座の怪人」が上映されたときでした。 オペラ座の怪人の舞台を上映したものでしたが、あの有名なテーマ曲が大音量で流れたとき、その音が身体全体に沁み渡る感覚に襲われ、鳥肌が止まりませんでした。 なんでこんな音が出せるんだ! 長い疑問でしたが、今回、その謎が解けました。 極上の音が出せるのはなぜか、その器材に注目して紹介していきたいと思います。 極上の音が出せる理由1:スピーカー 前章でも触れましたスピーカーから、まずは紹介して行きましょう。 スクリーンの下に大きなスピーカーが四つ、左右にもそれぞれスピーカーがついた構造となっています。 このスピーカー、これ自体が、実はコンサートやライブでも使用されているようなスピーカーなのだそうです。 さらに、aスタジオの壁には小さなスピーカーがついています。サラウンドスピーカーという名前なのだそうで、このスピーカーが使用されている映画館は少ないのだとか。さらにこのスピーカーは大きなスタジアムでも使用されているようなもので、コンサートやライブができるほどの高出力の物なのだそうです。 aスタジオのスピーカーは、極上の音響を出すために用意された、極上のスピーカーだということですね。 極上の音が出せる理由2:音響調整器材(PA) いくらスピーカーがよくても、音を調整する機材がよくなくては、宝の持ち腐れです。 一般的な映画館では、お客さんの入り具合によって音の大小を調節しているそうなのですが、シネマシティの音響調整機材は、もっと細かい音響調整ができるすぐれものなのです。 ライブに行ったことのある人、またバンドをしていた人などには想像できるかもしれないのですが、ライブ会場などの場所には大きな音響調整卓、PAというものがあります。 私も高校生のころに軽音楽をしていたため、このPAとはなじみが深いです。 どんなものなのかと言いますと、たくさんのつまみがついており、そのつまみを上げ下げすることによっていろんな音の大小が調整できるのです。ギターの音を小さくして、ベースを上げる、なんてことをしていました。更には、右側から聞こえるようにする、後ろの方から聞こえるようにする、なんていう調整もできます。私は簡単な操作しかできませんでしたが、この機材をライブなどではフルに使用しているわけです。 このような、音を細かく調整できる機材が、なんと立川シネマシティの映画館にもあるのだとか! これは本当に稀なことで、もしかしたら立川シネマシティだけかもしれないのだそうです。 細かく調整することができるからこそ、立川シネマシティは極上の音が出せるのです。 極上の音が出せる理由3:プロの音響調整 映画館に置いてあるのが珍しい音響調整卓を使用し、音を整えてくださるのはプロの音響家です。 音響調整中、プロの音響家による調整がどんなに素晴らしい物かを体験することができました。 最初はノペっとした音だったものが、どんどんリアルになり、体全体に響き、会場を包み込み、ライブ会場のような臨場感たっぷりの音に仕上がる過程は、素晴らしいものでした。 音響調整に入る前、井出さんはこんなことをおっしゃっていました。 「音響調整で、音を作るのではなく、ライブ時の音響、大元の音に戻す」 「ボーカルの息づかいまで聞こえるような音にする」 「会場をここに持ってくる」 ライブ会場を映画館に持ってくる……! 聞いただけで鳥肌が立つ言葉でした。 実際にどんな音だったのか? 詳しくは次章「いざ、音響調整へ」にてレポートします。 このようにして、aスタジオの「極上の音響」は作られていることがわかりました。 音楽を素晴らしい音で聞いた時のあの感動は、言葉にすることが本当に難しいです。 ただ「凄い!」「なんだこれ!」と感じ、鳥肌が止まらないのです。 そんな感動を、きっと「極上の音」を聞いた瞬間、皆さんも味わえると思いますよ。