レポート
リンク(別窓)
さて、最後のレポートは、音響調整についてのレポートです。 今までいかに素晴らしいスタジオ、機材、人材がそろっているのかというお話をしました。 ここからは、実際にどうやって音が作られていったのか、を記していきます。 「××を演奏した」「○○のパフォーマンスは素晴らしい!」等のネタバレは一切ありません、ご心配なさらず。 「クイーン ハンガリアン ラプソディ」は25分のドキュメンタリーと、1時間半のライブ映像の二時間構成です。(ドキュメンタリーは未公開のものだそうですよ!) 今回は、ライブの映像のみを最初から流し、音響を調整していきました。ライブの映像を止めたり繰り返したりがあるのかな、と思っていたのですが、最後まで映像が止まることはありませんでした。 場所は自由に移動してもよい形式でした。実際、ライブ途中で動いている方もいらっしゃいました。 私は映画をど真ん中で見るのが好きなので、最初はど真ん中に座っていました。 途中で移動してみようかしら、なんてことも考えていたのですが、感動のあまりその場から動くことは無かったのでした……。 映画がはじまる時の音が鳴り、会場がゆっくりと暗くなり、ライブ映像が流れだしました。 最初の音は、ノペっとした音でした。立体感があまり無いものです。音もそんなに大きくはなく、最初は「あれ、大音量ってこんなものなの……?」と少し不安にも思っていました。 最初の2、3曲で、ところどころボーカルの音だけになったり、ボーカルが小さくなったりと、変化がよく分かりました。 じわじわと音が作られていたのです。 ライブ映像を堪能しながらも、いつも以上に耳を澄ましながら音を聞いていましたが……だんだんと、ドラムの音が心臓に響いてきました。じわじわと、全体の音量もあがっていきます。 5曲目あたりだったと思います。 これはすさまじい音だ、ライブの音だ、と感じました。体全体に音が響き渡ります。静かになるところで、耳鳴りがします。低音がおなかの底で反響します。 過去に一度、プロのバンドのライブに行った際に、観覧場所がスピーカーの真ん前だったことがあります。その時と全く同じ現象を、まさか映画館で味わう事になるとは思ってもいませんでした。 次第に、音は立体感のあるものに変化して行きます。 サラウンドスピーカーをフルに生かし、観客の声がリアルに響きます。 マイクを通した美しい音が、映画館を包み込みます。 大音量です。それなのに、不快感はゼロ。もっと聞きたい、もっと響いてほしいという爆音。それはまさしく「ライブのときに味わう高揚感」と全く同じものでした。 映画が終わり、明かりがついたときには拍手が起こりました。ライブを見た後の感動が、確かにそこにはありました。 1時間半で、映画館がライブ会場に変わっていきました。 音響調整は ・声を通すようにした ・大きすぎるとキンキンしてしまうので、そうならないようにした ・ドラム(特にスネアの音)が聞こえづらかったため、聞こえやすいように音を出した といったことをしていたそうです。 ライブ映像を見る際、こんなところに注目できそうですね。